妊娠中に読んでよかったおすすめ本
こんにちは。産休突入を機にブログを始めてみたアラサー妊婦のきょうねこです。(かわいい猫を飼っています!)
何か困りごとがある度に誰かのブログに助けられてきたので、自分も困りごと・悩みと、それに対処するために考えた自分なりのライフハックなどを中心に書いてみようという趣旨のブログです。
今回のテーマは妊娠中に読んでよかったおすすめ本。
私は日頃読むのはストーリー漫画や小説が多いのですが、
つわりに悩まされていた妊娠初期から中期にかけて、ストーリー漫画や小説をパタっと読まなくなりました。
そのかわりにひたすら探し求めては読んだのが「妊娠(・出産)」にまつわる本。
人間、今まさに自分の身に差し迫っているものしか入ってこない時期があるのだなあとしみじみ思いました。
(つわりが明けて以降はまた妊娠に関係ない本も読むようになりました)
今回は妊娠初期〜中期に読んだ大量の妊娠にまつわる実用書・エッセイ・小説の中から、特によかったもの、おすすめのものをご紹介します。
- 前提:個人的にNGな要素
- 妊娠にまつわるエッセイ(おすすめ順)
- 妊娠・出産を題材にしたストーリーもの(おすすめ順)
- 妊娠・出産・育児関連の実用書(おすすめ順)
- 妊娠中に読んでよかったおすすめ本のまとめ
前提:個人的にNGな要素
色々読んだ中には、正直読みながらイライラしすぎて「買わなければよかった」と後悔するような本も多数ありました。
読んでみるまで分からないところがつらいですよね…。
以下に私が無理だった要素を以下にまとめています。
今回ご紹介する本は基本的にこれらの要素をクリアしているものになりますので、
価値観が近い人と感じた方は是非ご参考にしていただけると幸いです!
ジェンダー観が古いもの
「子育ては母親の仕事で、父親はそのサポート」「女の最も重要な仕事は子育てである」といった価値観が根底にある本、大量にあります。
もちろんかつてはそれが常識だったのだと思うので、古い本ほどそういった価値観に基づいて書かれているのは仕方ないことです。
が、自分は母性神話のようなものは全く信じていませんし、可能な限り育児の負担は夫と半々を目指したいと思っているので、
上記のような価値観を元に書かれた本はその時点で自分にとっては役に立ちませんでした。
※そもそもいくら男女平等を目指したところで妊娠出産については圧倒的に女性の負担が大きい(というか、しかない)わけで、
同じ子を持つにあたって女は10ヶ月かけて様々な大変な目にあい、さらには出産で重症を負うのに、男は無傷で親になれるという前提の部分からの圧倒的不平等を思えば、妊娠出産以外は夫が全てやるくらいでもまだ足りないくらいだと思っています。
胎児側に意思があるかのような言説
「つわりは赤ちゃんがお母さんに休んでって言っている証拠」「赤ちゃんがお母さんが成長するために課している試練」みたいなやつです。そんなわけなさすぎます。
仮にもしそうならなぜつわりが無い人や、命すら危険なレベルのつわりになる人がいるのでしょうか。
そして仮に胎児の頃から意思のようなものがあるとしても、本人にしか分からないことなので、勝手に吹き出しをあててしゃべらせるのも横暴だと思うのです。
妊娠=幸せ100%なものであるという前提のもの
「この苦痛も赤ちゃんのためと思えばポジティブな痛み🥺」みたいなやつです。
私は望んで妊娠しましたが、それでも妊娠生活は本当にしんどいものでした。
「妊娠=幸せなもの」が前提すぎると、実際しんどいのに「こんなにつらいと思う自分がおかしいのだろうか」「こんな感情になってはいけないのだろうか」と思わされてきます。
そのしんどさに変に意味づけしたりポジティブ変換せず、そのまま受け止めてくれる本の存在は本当に有り難かったです。
妊娠にまつわるエッセイ(おすすめ順)
峰なゆか「わが子ちゃん」
ダントツ1位です!!!
全ての妊婦におすすめしたい!
唯一、連載でも読んで電子書籍も買って、その上で紙のコミックも買って夫にも読んでもらいました。(私が何がつらいか逐一説明するより「わが子ちゃん」を一通り読んでもらった方が正確に伝わると思えたため)
本当にそれすぎる!同じ気持ちの人がいてよかった!!私だけじゃなかったんだ!!!
言いづらいけど実際は心底思っていることを代弁してくれてありがとう!!!!(しかもこれ以上ないほど的確に!)
と、頷きすぎて首が痛くなるほど共感できたのはこの本だけでした。
「わが子ちゃん」(連載初期は「チャラいヒゲ、子を育てる」というタイトルでした)の連載中に妊婦でよかったと何度思ったことか…。
妊娠を知った知人から「マタニティライフ楽しんでね!」と言われる度に「え、こんなにつらいのに一体何を…?」と戸惑うばかりだった私は、
「わが子ちゃん」以前の世界で妊婦だったら、分かってくれる人のいない孤独さに耐えきれなかったかもしれません。
それくらい自分のつらさや悩みに寄り添ってくれる本でした。
おすすめポイント①忖度なく赤裸々な本音をバシッと書いてくれる痛快さ
心の中では思っていても「口に出したら引かれるんじゃないか」と思って言えないような、ツイッターだったらクソリプの集中攻撃に合いそうな本音を、保身で塗り固めずバシッと言ってくれる痛快さが突き抜けています。
(しかもただでさえ育児関連という様々な価値観の持ち主がいて多方面から炎上しやすい題材で!!)
私のお気に入りのコマを一部ご紹介↓
おすすめポイント②チャラヒゲが最高。夫婦ともに推せる
「わが子ちゃん」の素晴らしい点その②は、これから目指していくべき在り方を手探りながら体現しようと奮闘する夫・チャラヒゲの姿勢です。
他にも色々妊娠出産エッセイを読みましたが、その多くは出てくる夫にムカつきすぎて読み進めるのが苦痛なものが多かったのですが、
その点チャラヒゲは現時点で完璧なわけでも、都合のいい「理解のある彼くん」でもなく、失敗しながら学んでいく等身大のリアルな男性であることが素晴らしく、応援したくなります。
そして二人の関係性もとても良い!!
私は「わが子ちゃん」と連載中の「AV女優ちゃん」を読んで、峰なゆかさんの大ファンになりました!
おすすめポイント③「妊娠期」のことをガッツリ詳細に書いてくれている
わが子ちゃんの良いところその③は妊娠中のことを丁寧に描いてくれているところです。
これ、意外と少ないんですよ…!!
「妊娠中 おすすめ 本」等で調べて出てきたエッセイを買ってみても、なぜか妊娠期のことは最初の数ページだけしか書かれておらず、その後の出産や育児のことに大半のページが費やされているものばかりで、何度がっかりしたことか…😭
もちろん出産や育児が壮絶な体験だからそうなるのだと思いますが(あと妊娠は一時のものなので、育児エッセイの方が需要のパイが大きいのでしょうね)、
私の場合、妊娠中は妊娠そのものが大変すぎて、正直その先に待っている出産や産後や育児のことまで興味がいきませんでした。
しかもまだ無事に生まれるかも分からないわけで。
いや、あの、それ以前に今まさに大変でこの苦しさを分かち合いたいのですが…
状態。
その需要にこたえてくれたもの、「わが子ちゃん」が圧倒的ナンバーワンでした。
俵万智「生まれてバンザイ」
- 価格: 1650 円
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厳密にはエッセイとは異なり、こちらは「サラダ記念日」で有名な歌人・俵万智さんが妊娠・出産から幼児期までの間に詠んだ詩をまとめたアンソロジーです。
友人に勧められ、電子版が出ていないので久しぶりに紙の本を書いました。
妊娠・出産・育児にまつわるエッセイを読みながら、基本的には「ふーん」という感じでハスに構えてしまいがちな私が、
読みながら、気がつけば何度もじんわりと目頭が熱くなってしまいました。
ひねくれ者の心にもすっと入ってくる珠玉の言葉たち…!
妊娠期の詩は少ないのですが、つらい妊娠期に読んでも子のいる未来が少し楽しみに思える内容になっていますし、
今まさに子育ての真っ最中という方には爆泣き必至なのではないかと思います。
私も育児しながらも何度も読み返そうと思っています。
妊娠中・子育て中の全ての人におすすめです!
人を選ばない内容なので、プレゼントにも良さそう。
私は今後友人が妊娠したら、まず「わが子ちゃん」と「生まれてバンザイ」の2冊をプレゼントしたいです。
川上未映子「きみは赤ちゃん」
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芥川賞作家の川上未映子さんが、妊娠から出産、そして子が1歳になるまでの期間綴ったエッセイをまとめたもの。
こちらは妊娠前に一度読んだことがあり、その当時もとても感動したのですが、妊娠を機に再読。
こちらも全体の半分くらいが妊娠期編で、起こったことや感情の変化が光る感性とさすがの文才で丁寧に書かれているので、妊娠中に読むのにおすすめです。
同じく川上未映子さんの、直木賞候補にもなった小説「夏物語」も併せて読むと、「子を持つということ」について深く考えさせられます。
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こちらもおすすめです。
はるな檸檬「れもん、うむもん!—そして、ママになる—」
恐らくこちらがつらいことも含めて赤裸々に妊娠期のことを綴ったエッセイ漫画の先駆けではないでしょうか。
ほぼ全編妊娠から出産にかけての出来事で構築されているので、妊娠中に読むと参考になりますし、「つらいのは私だけじゃないんだ」と寄り添ってくれる本だと思います。
「妊娠は無条件におめでたいものとされているし、実際望んだ妊娠だし、つらいって言っていいのかな、自分のことばかりと思われないかな」という世間一般の目線と自分自身の内面との間の葛藤も含めて描かれていて、「わが子ちゃん」ともまた異なる等身大さがあります。
妊娠・出産を題材にしたストーリーもの(おすすめ順)
橘ちなつ「妊娠したら死にたくなった〜産褥期精神病〜」
妊娠中に読むと怖くなってしまう可能性もあるので要注意ですが、私は出てきた広告を思わずクリックして読み始め、止まらなくなって全話購入して一気読みしてしまいました。
エッセイではないですが、著者本人の実際の体験を元に描かれている漫画です。
読みながら「自分もそうなったらどうしよう」と不安にもなるのですが、産褥期(産後)の精神疾患や閉鎖病棟のことなど丁寧に描かれていて非常に勉強になる良い漫画だと思います。
そして何より、恐らく著者本人が自分が経験していることについて他に経験談や症例を見つけられず、「何が原因か分からないことが一番苦しかった」からこそ、
未来の誰かに「一人じゃないよ」を言うために描いてるのが伝わってくる、すごい作品です。
21年5月から休載中。ようやく原因が見えてきて、これから希望に向かっていく気配が感じられる最新話で止まっているので続きがとても気になりますが、著者さんのご実家のご都合だそうなので、無事落ち着くことを祈りつつ、楽しみに待ちたいと思います。
村田沙耶香「殺人出産」
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少子化対策で「10人産んだら1人殺す権利を得られる制度」が適用された世の中が舞台の小説。
人工子宮技術で男性も子を産めるが、男性はもともと産むように体ができていないため、女性よりも出産時の体の負担が大きいという設定になっています。
妊娠・出産を無条件に「おめでたいもの」「幸せなもの」ではなく、シンプルに「負担」(だが社会の維持には必要なもの)として描き、その負担に耐えた者にはその対価が与えられるという視点が新鮮で、とても面白かったです。
坂井恵里「ヒヤマケンタロウの妊娠」
こちらも同じく男性の妊娠をテーマにした物語。Netflixでドラマ化されましたが、原作は1冊完結の短いものです。(その後続編となる「育児編」上下巻が追加で出ました)
著者が男性の自然妊娠の確率を女性の1/10という設定にした理由を
会社組織でバリバリ働いて、社会の「マジョリティ」としてやってきた男性がいきなり妊娠をして、「マイノリティ」になるところにおもしろさが出ると思った
と語っているように、単純に男性も妊娠する世の中だったらという疑似体験に留まらない発想が面白かったです。
鈴ノ木ユウ「コウノドリ」
こちらは定番ですが、妊娠出産にまつわるトラブルの基礎知識が学べるので、妊娠初期に読むのがおすすめです。
こちらも人によっては怖くなってしまうかもですが、色々な可能性があることを知っておくだけでも、避けられる事態もあると思うので。
コウノドリを読むと、NICUがあるところで産んだ方がいいんじゃないかという気がしてきて少し焦りました。笑
妊娠・出産・育児関連の実用書(おすすめ順)
太田啓子「これからの男の子たちへ」
お腹の子の性別(本人の性自認はまだ分かりませんが)が分かってから、友人に勧められて読んだ本です。
日々つらいニュースに接しながら、他人(女性に限らず)を雑に扱うことも、逆に雑に扱われることもない人に育ってほしいと願うのですが、
そのためには一体どんなことに気をつけて育児をしてばいいのか?
また、子どもは家庭以外からも様々なメッセージを受け取って育つわけで、いくら親が気をつけたところで自然にジェンダーバイアスを身につけて行ってしまうのではないか?という不安。
そういったものに寄り添い、一緒に考えてくれるような本です。
一緒に子育てするにあたり夫にも読んで欲しいなと思っていますが、夫や義両親に読んでもらうには少し伝わりづらいんじゃないかなと心配になる部分もちらほら。
今を生きる女性は日々感じていることなので脳内補完しながら読めるのですが、男性や上の年代にはなぜそういう考えになるのか補足説明を入れないと意味不明なところや、誤解を与えてしまいかねないところもあるかもしれません。
(その点でも、収録されている桃山商事の清田隆之さんとの対談は、男性との隔たりをブリッジさせる役割になっていて良い構成だなと思いました!)
ジーナ・フォード「ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座 改訂版」
ジーナ式ネントレ本!
こちら、決して本としておすすめはできない内容(編集者がどうかしているとしか思えないくらいあっち行ったりこっち行ったり構成がぐっちゃぐちゃでめちゃくちゃ読みづらいです😂)なのですが、私はジーナ式を実践してみようと思っているので、必要に駆られて読みました。
ジーナ式とは、きちんと朝までまとめて寝られる子に育てるためのメソッドで、最初はなかなか大変なようですが、きちんと習慣付けられれば親の睡眠時間もしっかり確保できるというメリットがあるそうです。
私はADHDで燃費が悪くロングスリーパーなので、頑張ってみます!
ジーナ式にご興味がある方は是非チェックしてみてください。
(原本より分かりやすくまとまっているブログがたくさんあるのでまずはそちらを!笑)
宋美玄「新装版 産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK」
妊娠してすぐの頃は、妊娠出産に関する知識がゼロすぎたため、一通りの知識をインストールできる参考書のようなものを探して色々読んだのですが、
そういった本の難点、それは「情報はどんどん古くなってしまう」ということでした。
読んでいて、「今はもう違うな」という点が多いものや、古いジェンダー観に基づいて書かれたものが多すぎて、ほとほと疲れてしまいました。
今の時代、検索すれば最新情報がいくらでも手に入りますし、
「トツキトオカ」や「ルナルナベビー」「ninaru」「たまひよ」といった、その時期に必要な知識をまとめて教えてくれる毎日更新のアプリもあるので、
正直この分野については参考書的な本は不要だなという結論に落ち着きました。
ただ、そんな中でもこちらは唯一、実際に多くの妊婦を診ている&自身も子育て中の現役の産婦人科医が書いたもので、2018年刊行なのでさほど知識も古くなく、妊娠出産にまつわる迷信めいた言説をバッサリ否定しながら、最新の医学的見地からのQ&Aがまとまっているのでおすすめできるように感じました。
妊娠中に読んでよかったおすすめ本のまとめ
是非チェックしてみてください!
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